「色」で自分好みの空間づくり

今の家づくりでは、アースカラーをベースにしたシンプルなトーンのインテリアが好まれる傾向がありますが、自分好みの「色」を暮らしに取り入れることは、より自分らしい生活の場づくりにもつながります。そこで今回は、住空間における「色」に注目して、その効果や内装との相性を見ていきましょう

建具や壁など、ある程度広い面積でも取り入れやすい「青」や「緑」

気持ちを落ち着かせてくれる効果のある「青」や、リラックスできる「緑」は、トーンを抑えれば色味がそれほど強くないこともあって、建具や壁など、ある程度広い面積で入れ替えがしにくい部位にも使いやすいカラーです。

札幌市でマンションをリノベーションしたTさんのお住まいでは、ブルーグレー色をキーカラーにしてインテリアをコーディネートしました。リビングのカーテンやテレビ背面の壁から、各部屋のドアや玄関のタイルなど、ところどころに同系色を配することで、住まい全体に統一感が生まれます。この色は、スキッとした透明感のある白色の内装仕上げとの相性が良く、モノトーンだと寂しい印象になってしまいそうな空間に、心地良い温かみを与えてくれます。

現在公開中の円山リノベーションモデルでは、キッチン収納の面材にグリーン色を用いました。色としての主張がそこまで強くないので、飽きずに長く使え、ミディアムトーンの木の色とコーディネートしやすいのも魅力です。キッチンの隣のリビングには、同じ色調のラウンジチェアを配しました。シンプルなトーンの中に、ちょっと目を引く鮮やかな色が存在するだけで、家が暮らしの場としてより生き生きとしてきます。

システムと造作収納を組み合わせたインテリア性の高いキッチン
建物の断熱・気密性の向上、換気計画の見直しをすることで、大きな窓の設置が可能になったオープンスタイルのLDK。通年で快適な室内環境を保つ

ワンポイントに取り入れるだけでも効果的な「黃」や「オレンジ」

いわゆる「ビタミンカラー」で見ると気持ちが元気になるとされる「黃」や「オレンジ」は、発色が良いため、壁面や装飾にワンポイント取り入れるだけでも、インテリアとして効果的です。

築24年の一戸建てをリノベーションしたIさん宅では、2階のセカンドリビングのテレビ背面を、奥さんが選んだ優しいレモンイエロー色の模様が描かれた壁紙で仕上げました。黄色みのある床材やテレビボードの色と調和しています。華やかで明るい雰囲気で、居心地のいいリビングになりました。

奥様がセレクトしたイエローの壁紙が空間を彩る。セカンドリビングの明かりを2階ホールに伝えるガラスブロックは、インテリアのアクセントとしても効果的

ある程度広い面積に黄色を使う場合は、彩度を抑えた優しい色味だとシンプル・ナチュラルなインテリアに合わせやすいですが、ワンポイントで使うなら、パキッとしたビビッドな黄色を加えるのも手。築42年のマンションをリノベーションした札幌市のIさん宅では、キッチンカウンター上にご本人セレクトのビビッドな色彩がかわいい3連のペンダントライトを付けました。発色の美しいライトが、白でまとめたシンプルな空間に映えますね。

「黃」は、黄色みが強い木の色や、少し青みがかった白と相性が良いですが、「オレンジ」は少し赤みの強い木の色や内装仕上げと相性が良い色です。札幌市でマンションリノベーションをしたIさん宅のリビングに置かれているのは、濃いオレンジ色の3シーターのソファ。かなりの存在感ですが、家具や床、壁の色と調和して、この家らしさを放っています。

アースカラーやモノトーンでシンプルにまとめられた住まいも素敵ですが、好きな色と暮らすことも、日々の心地よさにつながります。SAWAI建築工房が手がけるリノベーションや新築では、お施主さんの好みに合わせてインテリアのコーディネートまでご提案していますので、ぜひお気軽にご相談ください!