マンション玄関リフォーム2例

皆さんは、古いマンションの玄関にどのようなイメージをお持ちでしょうか?実際に私たちがリノベーションを手がける中古マンションを見ると、狭くて暗いケースが多い傾向です。

玄関は、毎日家族が出入りし、帰宅した際に一番最初に目に入る住まいの空間です。また外と内をつなぐ場所でもあるため、収納などの機能性も重要です。そこでリノベーションを機に、明るく気持ちよく様変わりした札幌市のマンションの玄関の例を2つご紹介しましょう。

case1, 暗く狭く収納が小さかった玄関を広く明るく機能的に

老後に備えて、よりコンパクトな築27年のマンションに住み替えた札幌市のIさんご夫妻。もともとは3LDKでしたが、狭かった個室3部屋の壁を取り除き、壁でさり気なく視線を遮る回遊型のプランに。ゆるやかにリビングとつながる位置にご夫妻それぞれのスペースを確保し、互いに趣味を楽しみながら気配が感じ取れる空間へとリノベーションしました。

このマンションの玄関は、コンパクトで暗く、収納も少なめ。

Before

そこで、玄関のつくりも大きく見直しました。玄関土間を含め玄関まわりの面積を広げるとともに、天井高いっぱいの玄関収納を設置。靴や玄関まわりで使う道具類などをスッキリと整理整頓できます。収納の一部は姿見になる鏡面扉で、限られた空間をより広く見せる効果もあります。

薄暗かった玄関は、明かり取り窓や華やかな輸入壁紙、白い内装とそれに反射する照明の光で、明るく清潔感のある印象に大きく変わりました。玄関土間の一角には、デッドスペースを生かした扇形の飾り棚も造作。お花などが飾れると、暮らしに潤いが生まれますね。

case2, 納戸をなくして広くしタイルでインテリア性を高めた玄関

お子さんの就学を数年後に控えて、持ち家を検討したTさん。共働きのご夫妻は、生活面で何かとご両親にサポートしてもらえるということで、奥様の実家に近いエリアでこの物件を見つけ、立地も広さも間取りも眺望も申し分なかったことから購入を決めました。

90㎡以上の広さや暮らしやすい動線など、既存の間取りが魅力的だったため、全体の間取りは大きく変えませんでしたが、玄関は暗くて狭い印象を改善する手立てを検討しました。

Before

玄関まわりの間取りの見直しにあたり、玄関ドアの正面にあった納戸を撤去してスペースを確保。壁にガラスブロックを縦に3つはめ込んで、隣室を介して採光が得られるように工夫しました。空間に奥行きが出たことで視線が抜け、収納も使い勝手が良くなりました。

玄関ドアを開けると、ナチュラルな風合いが目を引くブルーと柄物のタイルを敷き詰められた土間空間が家族や来客を迎えます。カットガラスのランプシェードを通した光の模様が彩る白い壁面も、玄関に明るさをプラス。階段状の折り上げ天井や土間のタイルなどのインテリア性と相まって美しく、特別感が感じられますね。

「家の顔」ともいうべきマンションの玄関が変わると、家全体の印象も日々の暮らしの心持ちも大きく変わります。既存の間取りの条件にもよりますが、プランニングの工夫で改善策が見つかることも多々あります。「古いマンションの玄関は狭く暗いもの」と諦めることなく、「玄関」をどう快適な空間にするかについても、リノベーションを機にぜひ考えてみてくださいね。