バリアフリー化リノベーション

ライフステージの変化や、経年による傷みや不具合、冬の寒さや結露などリノベーションのきっかけはさまざまです。札幌市に暮らすTさんの場合は、閉塞感のある独立型のキッチン。「壁をなくして、開放感のあるLDKにしたい!」とご相談をいただきました。

築27年の戸建て住宅には、他にも断熱・気密性能の低さによる冬場の結露という悩みも…。また50代半ばという年齢から、将来を考えた室内のバリアフリー化も大きな要望の一つでした。

Before

プランニングではまず、念願の開放感あふれるLDKを実現するために、キッチンの壁を取り払いました。新しいシステムキッチンは、奥さんたっての希望で、明るいグリーン色をチョイス。カウンターを兼ねた背面収納と造作棚が、キッチンとダイニングの間を緩やかに仕切ります。

間仕切り壁をなくしたことで、狭く閉塞感のあったキッチンが、開放感のある気持ちのいい空間に
奥さんが選んだ爽やかな明るいグリーン色で、空間が華やぐ

リビングは、木の素材感が優しく、明るくて気持ちがいい広々とした憩いの場に様変わりしました。シックな色デザインのアクセントウォールで仕上げたコーナーが、LDK空間に余裕と彩りをもたらしています。

木の床と白い内装で、飽きのこないナチュラルな雰囲気に仕上がったリビング

懸案だった冬場の結露問題への対策として、まずは劣化した一部の断熱材を入れ替えました。更に壁は吸放湿性のある機能性クロス仕上げとし、ユーティリティには換気ファンを1台追加。浴室には、暖房乾燥機を新設しました。このような複数の対策の相乗効果で、室内環境は劇的に改善し、今は真冬でも、以前のような寒さや結露に悩まされることはなくなったそうです。

リノベーション時は、断熱改修を行う絶好の機会
Tさん宅は、躯体性能UPと内装や設備の工夫で、長年の悩みだった結露をだいぶ解消できた

将来に備えてバリアフリー化した室内は、部屋の間に段差がなく、通路の幅にもゆとりがあって、万が一、車椅子や杖を持っての移動になってもスムーズに行き来ができる設計。既存の住まいを改善してこういった安心感を得ることも、リノベーションではとても重要です。

部屋の間に段差化ないフラットな床で、つまづきなどの転倒事故を予防

リノベーションにより、部屋も設備機器も新しくなって、住まいの悩みの多くが解決したTさん宅。子育てが一段落し、リニューアルされた家での暮らしを新鮮な気持ちで過ごされています。

空間にゆとりがある設計で、車椅子や杖などを使うときにも安心