暖かさと暮らしやすさにこだわった、眺めの良い平屋住宅

子供たちが巣立ち、夫婦二人暮らしとなったとき、ふと感じるのは「これからの暮らしはどうしたいか?」という思いではないでしょうか。
近年、そんな第二の人生を迎える世代から注目を集めている「平屋」。バリアフリーや家事動線の良さなど、快適な暮らしを実現する要素が詰まった平屋は、まさにこれからの人生を楽しむための住まいです。
今回は以前SAWAI建築工房で施工した平屋の事例をご紹介いたします。

2度目の新築で最もこだわったのは省エネを実現する住宅性能

稚内で子育てをしながら共働き生活を送っていたU様ご夫妻。
お子様のご結婚、独立を機にU様は早期退職し、子どもの頃から憧れていた漁師さんに転身。奥さまと共に新たな人生を寿都町で送る決心をされました。

移住にあたって、稚内で所有していた戸建てを売却し寿都で宅地を購入。二人暮らしにちょうど良い住まいを新築したいと考えていたといいます。
2度目の新築でご夫妻が特にこだわったのは省エネを実現する高い住宅性能でした。
海を見下ろす高台に建っていた旧居は、大開口からの眺望は素晴らしいものの、冬の光熱費が大きな負担だったそう。
その経験から、2度目の新築では何より省エネ性を重視。インターネットで住宅性能をキーワードに依頼先を検索し、SAWAI建築工房を見つけられたといいます。

周囲の田園風景に溶け込むようなナチュラル&シックな外観。片流れの屋根には雪止めを設置し、落雪による除雪の手間を軽減
周囲の田園風景に溶け込むようなナチュラル&シックな外観。
片流れの屋根には雪止めを設置し、落雪による除雪の手間を軽減

ご夫妻が購入された土地は、内陸にある200坪の農家跡地。先住者が育てた果樹や庭木が茂り、緑の向こうに山並みが見える風光明媚な宅地でした。
プランづくりにあたって、ご夫妻は暖房効率の良い省エネ仕様と、二人暮らしに最低限必要な空間を備えた平屋を希望。

移住後はミニマムな暮らしを実現したいと考えていた奥さまは、旧居にあった家財の多くを処分。お気に入りの家具やコツコツと集めてきたアジア・アフリカ雑貨など、手元に残したいと思った愛着のある品々だけを新居づくりに生かしたいと考えていらっしゃいました。

玄関ホールでは間接照明にやさしく照らされた奥さまのコレクションが訪れる人を出迎える。
シックな色合いの床は、メンテナンスフリーのカラーフロアを採用

設計プランを作成する際は、元々お持ちだった大きなサイズの家具をプラン段階からサイズを確認して部屋の大きさを設定し、窓からの眺めや生活導線などを考慮しながら”どこに配置するか”を確認しながらすすめました。と弊社の担当者。
恵まれた立地を生かして、ご夫妻が暮らしの中で四季の景色や自然の光の移ろいを存分に楽しめる開口レイアウトを提案しました。その窓には、高断熱・高気密のトリプルガラス入りのサッシを採用。さらに基礎に75㎜、壁に135㎜、屋根には300㎜と、家全体を断熱材で包み込み、性能に優れたダクトレスの第1種換気システムを採用。これにより、次世代省エネ基準をクリアする住宅性能を標準仕様で実現しました。

キッチンやダイニングからも、窓越しに庭が眺められる。右手奥は、主寝室。
延床約31坪の平屋住宅は、動線もコンパクトで暮らしやすい
キッチンのある北側、天井下には室内にやわらかな光を落とす採光窓を設けた。
最大約4.3mの天井高は、開放感と暖房効率を両立させるぎりぎりの高さにこだわって導き出した。

屋根なり天井と大開口を採用したLDKは、窓越しに庭や山並みが美しく切りとられ、開放的なくつろぎ空間に仕上がりました。白とこげ茶を基調にしたシンプルな空間には、観葉植物や奥さまのコレクション、愛用の家具がバランスよくレイアウトされ、アジアのリゾートホテルのようです。

小上がりスタイルの和室は予備室を兼ねる。
リビングと違和感なく空間がつながるよう、琉球畳を採用してギャラリー風のしつらいに。
暮らしの中心となるLDKは、間仕切りのない開放的なつくり。現しにした構造梁の力強いラインがのびやかな空間のアクセントに。大開口から染み込む風景が、シンプルな空間に季節の彩りを添えて。

新居の暖房・給湯には、奥さまの希望で使い慣れた灯油セントラルを採用。懸案だったランニングコストも、旧居の約半分に減少し、改めて性能の大切さを実感されたといいます。SAWAI建築工房のこれまでの経験と実績を生かし実現した確かな性能が、Uさんご夫妻の暮らしをこれからも力強く支え続けることでしょう。

<断熱仕様>
・基礎:スタイロフォーム75㎜
・壁:グラスウール105㎜+スタイロフォーム30㎜
・ダクト屋根:ブローイング300㎜
・吹き抜け屋根:屋根断熱スタイロフォーム20㎜+グラスウール200㎜+天井断熱スタイロフォーム20㎜

奥さまより

夫の夢は漁師になること。私の願いは、暖かくランニングコストのかからない終の棲家でこれからの人生を穏やかに過ごすこと。まったく異なる夫婦の願いは、住み慣れた稚内から遠く離れた寿都町でかなえることになりました。旧居での経験から、高断熱・高気密・換気設備の三拍子そろった住宅性能が暖かな家づくりには不可欠だと考えました。そこで、インターネットで様々な情報を集め、望む性能と予算にぴったり合ったのがSAWAI建築工房でした。遠い札幌から何度も足を運んでは、丁寧な打ち合わせを重ねていただいたお陰で、デザインも性能も、何一つ不満のない終の棲家ができあがりました。新居での初めての冬は、その暖かさに感激。暖房効率を向上させるため天井高まで緻密に計算するなど、目には見えない気配りが隅々に行き渡っているのを、やわらかな暖かさの中に感じました。SAWAI建築工房に出会えたことで、私たち夫婦の第2の人生も明るく、希望に満ちたものになっています。